市場背景
日本銀行が2017年6月20日に発表した、モバイル決済の動向をまとめた調査レポート「モバイル決済の現状と課題」によると、店頭で携帯電話やスマートフォンを読み取り機にかざして決済をするモバイル決済について、「利用している」と回答した人は全体の6%にとどまり、現時点ではモバイル決済は広く普及しているとは言い難い状況であることが報告されています。一方、国内FinTech(フィンテック)の市場規模について今後急速に拡大するとの調査結果もあり、FinTech の潮流の一つとして注目されているモバイル決済につきましても、セキュリティおよび利便性の面での課題が解決され、支払決済のために現金や各種のカードを持ち歩く手間がなくなるというメリットが浸透するにしたがい急速に拡大する余地があるものと考えられます。
プレーヤーの参加者分類
日本におけるモバイル決済方法として、FeliCa機能を搭載した携帯電話/スマートフォンの利用が挙げられます。そのほかに、バーコード/QR コードや Bluetooth 、また、音による通信を用いた方式もあります。
ハードウェアの位置づけ
スマートフォンを活用したモバイル決済における本人認証には利便性、使いやすさに加え高いセキュリティへの対応が求められます。スマートフォンアプリを活用したモバイル決済の本人認証の仕組みとして、バーコード/QRコードを利用する方法と、音による通信を利用する方法について比較します。
バーコード/QRコードを利用する方法
一般的なモバイル決済において、顧客のスマートフォンのバーコード/QRコードを店舗(レジ)側で読み取る方法が多く利用されています。実際の利用におきましては、利用者はアプリを立ち上げ、決済ボタンをタップし、表示されたバーコード/QRコードを店員に提示し、店員がバーコードリーダーもしくはタブレット等でバーコード/QRコードを読み取る、といった流れになります。セキュリティ面において、バーコード/QRコードは画像であり簡単に画像コピーが可能なことから、モバイル決済の機能に対応する場合、動的なバーコード/QRコードの導入などの対策が必須となります。
音による通信を利用する方法
音による通信の方式では、利用者はアプリを立ち上げ、専用の端末にスマートフォンをタッチするだけで認証が完了する実装が可能です。利用者の操作が簡単になるだけでなく、店員のオペレーションが不要となります。弊社「TrustSound® Sigma」の場合「TrustSound® Service」により強固なセキュリティにあらかじめ対応します。
スマート・ソリューション・テクノロジーの優位性
弊社が提供する「ピットタッチシリーズ」は、独自開発の音波通信技術により幅広い機種のスマートフォンに対応するスマート端末です。また、弊社が提供する『TrustSound®』は、NFC(非接触近距離無線通信)、独自開発の音による通信やBLEなど様々な近接通信技術を組み合わせ、10年以上にわたる開発実績、導入実績、運用実績で積み上げた高い技術力とナレッジベースから実現されたた近接通信技術基盤です。弊社では、培った技術を様々な事業者で利用できるようSST PFを公開するとともに、製品ラインアップとして「TrustSound® Sigma」「TrustSound® Service」、また開発キットとして「TrustSound® SDK」を提供しています。